1霞ヶ池(かすみがいけ)
兼六園の中心に位置する最大の池です。13代藩主・前田斉泰により、現在の広さ約5,800㎡にまで拡張されました。 池のまわりには、徽軫灯籠や唐崎松、蓬莱島などの名所が点在し、四季折々に美しい景観を楽しめます。
2徽軫灯籠(ことじとうろう)
琴の糸を支える「琴柱(ことじ)」に似た二本脚の独特な形が特徴の石灯籠で、片脚が折れたように見える姿がかえって味わい深さを醸し出しています。霞ヶ池との組み合わせは、絵葉書やガイドブックにも必ず載るほど定番中の定番です。 初めての訪問時にはぜひ見ておきたいスポットです。
二本脚が特徴の徽軫灯籠
3唐崎松(からさきのまつ)
滋賀・唐崎神社から種子を取り寄せて育てられた松で、冬になると雪吊りが施され、その光景は兼六園の冬の風物詩として知られています。枝ぶりと縄の幾何学的な造形が美しく、冬季の来園時には必ずチェックしたい場所です。
4雁行橋(がんこうばし)
11枚の石を雁の列のように配置したこの橋は、シンプルながら詩的な雰囲気が漂う構造です。現在は通行禁止ですが、水面に映る姿を静かに眺めるだけでも十分な風情を感じられます。
5姫小松(ひめこまつ)
五葉松の中でもコンパクトで上品な姫小松は、控えめながら手入れの行き届いた姿が美しく、鑑賞価値の高い松として親しまれています。松の奥深い魅力を知る入口として、初心者にもおすすめのスポットです。
6眺望台(ちょうぼうだい)
霞ヶ池を見下ろせる高台にあり、晴れた日には遠く金沢市街地や白山連峰まで一望できます。園内でも貴重なパノラマビューが楽しめる場所で、ベンチも設置されており、散策のひと休みにぴったりです。
7虎石(とらいし)
自然石の中でも特にユニークな形状をしたこの石は、その名の通り虎の顔に似ているとされています。石好きや子ども連れの家族に人気のスポットで、園内のちょっとした宝探しのような楽しみがあります。
8噴水(ふんすい)
兼六園の噴水は、現存するものとしては日本最古級です。自然の水圧だけで水を3.5mもの高さまで噴き上げるこの仕組みは、当時の土木技術の高さを感じさせてくれます。 周囲の池と調和した静かな風景も魅力です。
9黄門橋(こうもんばし)
朱色を思わせる色合いの小さな橋で、材には金沢近郊で産出される青戸室石が使用されています。自然と人工物が美しく融合したフォトジェニックな場所として、多くの観光客に親しまれています。橋のたもとでしばし足を止めて、ゆっくり景色を楽しんでみてください。
10獅子巌(ししいわ)
獅子の頭のように見える巨石で、その迫力ある存在感と周囲の植栽とのバランスが見事です。自然の力と造形美の融合を体感できる場所として、園内でも隠れた人気を誇ります。 岩の近くに立つと、静けさの中にも生命力を感じることでしょう。
11夕顔亭(ゆうがおてい)
1774年に建てられた兼六園最古の建築物で、かつての茶席の風情を今に伝えます。お茶室では、抹茶と季節の和菓子を楽しめます。庭園散策の途中に落ち着いたひとときを過ごせるスポットです。 歴史ある茅葺屋根や、静かな庭を眺めながらいただくお茶は格別です。時折聞こえる鳥のさえずりや、季節の移ろいを感じる草花の香りが、心まで穏やかにしてくれます。
12瓢池(ひさごいけ)
瓢箪のような形をした池で、園内の喧騒から離れてゆったりとした時間を過ごせます。野鳥やリスなどの小動物に出会えることもあり、動物とふれあいたい方にぴったりのエリアです。池のほとりには小道も整備されており、朝の光に輝く水面や、木々が映り込む静かな景色は散策中の癒しスポットです。
13時雨亭(しぐれてい)
江戸時代に藩主の茶席として使われ、2000年に復元されました。季節の和菓子とともに抹茶を楽しみながら、ゆったりとした時間が過ごせます。 窓からは美しい庭園風景が広がり、外の景色と一体になったような気分になります。ガラス越しの緑や紅葉、雪景色など、どの季節も違った趣を楽しめます。
14榮螺山(さざえやま)
らせん状の小高い築山で、その名の通りサザエの形に似ています。山頂からは園内を一望でき、穴場的なビュースポットとして知られています。ゆるやかな登坂で、散歩がてら立ち寄るのもおすすめです。
15梅林(ばいりん)
約200本・20種の梅が植えられており、3月上旬には紅白の花が園内を彩ります。香り高い花とともに春の訪れを感じさせてくれる場所で、前田家の家紋である「梅鉢紋」との縁も深いエリアです。 梅が満開になると、甘い香りがあたり一面に広がり、訪れる人々の心を和ませてくれます。春先の花見にもおすすめのスポットです。
16根上松(ねあがりまつ)
地表から根が盛り上がって見えることから名づけられたこの松は、ダイナミックなフォルムが特徴です。写真映えも抜群で、園内でも特にインパクトのある一本です。 壮大な姿は、兼六園のシンボルとしても親しまれており、園芸ファンや写真愛好家に人気があります。根の造形をぜひ間近で観察してみてください。
17兼六園菊桜(けんろくえんきくざくら)
1輪に300枚以上の花びらをつける珍しい桜で、4月下旬に見頃を迎えます。満開時の迫力と可憐さを兼ね備えた姿は、訪れる人々の記憶に残ることでしょう。見頃の時期は短いものの、その美しさは一見の価値があります。
18七福神山(しちふくじんやま)
小高い築山の各所に七福神の像が配置され、散策しながら探す楽しみがあります。願掛けをする方も多く、運気を高めたい人にはぴったりの場所です。 ちょっとした宝探し感覚で家族や友人と歩くのもおすすめです。隠れた福神像を見つけた時の嬉しさも兼六園の思い出になります。
19明治紀念之標(めいじきねんのひょう)
明治時代に建てられた記念碑で、兼六園が一般公開された歴史を象徴するモニュメントです。兼六園の歴史を知るうえでも見逃せない場所のひとつです。 周囲には四季折々の花が植えられ、記念撮影にもぴったりです。園の成り立ちや背景を知ると、庭園散策をより深く楽しめます。
20鶺鴒島(せきれいじま)
霞ヶ池に浮かぶ小島で、小橋を渡ってアクセスするこの島は、水辺の静けさとあいまって心が安らぐ場所です。運が良ければ野鳥の姿を間近で見ることもできます。 四季によって鳥の種類も変わるので、バードウォッチング好きにもおすすめです。水面に映る緑や花々も美しい隠れスポットです。
21龍石(りゅうせき)
龍の姿に似た石とその周囲の景観がダイナミックで、まるで石が生きているかのような迫力があります。自然と芸術の融合を感じられるスポットです。 天気や時間帯によって見え方が変わるので、何度も足を運びたくなる不思議な魅力があります。
22山崎山(やまざきやま)
秋になると紅葉が山全体を覆い「紅葉山」とも呼ばれるほど鮮やかに染まるエリアです。秋の兼六園を代表する景色として、記念写真スポットにもなっています。 赤や黄、橙と色とりどりの葉が重なり合い、園内随一の絶景です。ピーク時は多くの観光客で賑わいますが、早朝は静かでおすすめです。
23曲水(きょくすい)
ゆるやかに流れる小川が優雅な景観をつくり、春には桜、初夏にはカキツバタとともに四季の移ろいを感じられる場所です。橋とのコントラストも見どころです。 水の音に耳を傾けながら散歩すれば、日々の疲れも癒されるような心地よさがあります。
24金城霊沢(きんじょうれいたく)
静かに湧き出る清らかな水が流れ続けるこの池は、神聖な雰囲気を持ち、心が自然と整う場所として人気です。夏には涼を求めて訪れる人も多く、兼六園の癒しスポットとして親しまれています。 古くから霊泉として信仰されてきた歴史もあり、手を清めたり、水の流れをぼんやり眺めたりと、それぞれの時間を過ごせます。
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兼六園は、加賀百万石の風情と四季の移ろいが息づく、金沢の誇りです。私もお客様におすすめすることが多い名所ですが、行くたびに新しい発見がありますよ。この記事が皆さまの旅の参考になれば嬉しいです。