「金沢を彩る」は金沢の旅館のとやが提案する金沢観光旅行です。
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日本酒杜氏の神様「農口尚彦研究所」

日本酒杜氏の神様「農口尚彦研究所」
農口尚彦杜氏

杜氏農口尚彦とは

「酒造りの神様」の異名をもつ日本最高峰の醸造家のひとりです。杜氏一家の三代目として生まれ、若干16歳(1949年)で酒造りの世界へ。能登杜氏四天王の一人と称され、厚生労働省「現代の名工」(2006年)に選定、黄綬褒章を授かります(2008年)。
1970年以降低迷を続けた日本酒市場で「吟醸酒」をいち早く広め、吟醸酒ブームの火付け役であり、また戦後失われつつあった「山廃仕込み」の技術を復活させ、「山廃造り」復権の立役者となりました。
全国新酒鑑評会では連続12回を含む、通算27回の金賞を受賞。
過去に携わった蔵では、菊姫「菊理姫(くくりひめ)」、鹿野酒造「KISS of FIRE」などの銘酒を生み出します。
2017年、石川県小松市に農口尚彦研究所設立、杜氏として就任しました。

88歳にして現役。
時代に合わせて進化する、
農口尚彦杜氏の酒

若い時に何度も挫折して、濃い酒と香りの強く優しい酒の両方の酒造りを身に着けた農口杜氏。「加賀菊酒の濃い酒」も、生活環境も変わり、現代はニーズが変わり「米の旨みは感じつつ喉を通るとサーッとキレる酒」が今は求められていると言います。
「旨みを出そうとすると重くなる。キレを良くすると薄くて辛くなる。バランスが難しい。」それでも嗜好(しこう)の変化をいち早く感じ取り、時代を先取りした酒を造ることこそ、農口杜氏の生きがいであると話しています。

農口尚彦杜氏

酒造りに生涯を捧げてきた農口杜氏ですが、実はお酒を飲まないのです。一合も飲むと酔っ払ってしまい、仕事以外では一切お酒を飲まないそうです。
お酒が飲めない、飲まないからこそ人の意見を素直に聞いて多くの人に喜ばれるお酒を研究できるそうです。「農口尚彦研究所」は、若き蔵人たちを育てる事も目的の一つです。

農口尚彦杜氏

のとやで味わえる神様が作るお酒

のとやには、農口杜氏の代名詞である「山廃仕込」があります。山廃とは「山卸廃止酛(やまおろしはいしもと)」の略で、米を櫂棒(かいぼう)で磨りつぶす「山卸」という作業を廃止して仕込んだ酛(もと=もろみを発酵させる元になるもの)のことです。これにより造られた酒が「山廃仕込み」と呼ばれています。手間も時間もかかるので一時期全国的に衰退しましたが、農口杜氏の手により見事に復活しました。その農口杜氏本人が造り出す、米の旨みを最大限に引き出した芯の強い味わいとほのかな酸味が絶妙なバランスです。

そして「純米酒」。酒蔵周辺の農家が栽培した酒米を100%使用して、米そのものの味わいが染み渡り、フローラルな香りが満ちあふれます。
同じ水源で作った板長が作る日本料理との相性はもちろん抜群です。ぜひ、御賞味くださいませ。

純米酒

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