2018.05.15
伝統工芸 折上格天井の旅館
◆先代の言いつけ 『折上格天井』だけは使うな!!
折上げ格天井とは、日本建築の古い建築様式で寺院建築や書院造りなどで、格式の高い部屋に用いる天井です。
バブルの好景気に枠時代に日本旅館は高級を目指して多くの旅館が建築経費のかかるこの『折上格天井』を使う旅館が立派だと採用いたしました。
のとやは昔から代々高級旅館を目指さない。多くの人に愛される旅館を目指す。
ということで、特に先代はこの『折上げ格天井』だけは使うな。
お客様に触れるもの、床や椅子は大事だが天井はお客様はあまり見ない。
建築経費を安くして旅館を造りいつも新しい旅館でありなさい。と口癖でした。
◆職人の技術が必要な 『折上格天井』
釘は使わずに角材を正確に格子に組み、その上に板を張った天井を格天井といい。
支輪を湾曲して立上げて1段高くした天井のことを折上格天井といいます。
格式の高い部分に用いられることが多く、仏堂や書院造の上段の間などにみられ格式の高い人の住む場所とされております。
大変高い職人の技術が必要とされ昔ながらの工法でないと作られず最近の旅館では見られません。
◆見た目にも美しい 『折上格天井』
先代の言いう『折上格天井』だけは使うな!!にはきっと旅館という格式にこだわるな。
立派な宿主本位の旅館でなくちゃんと時代にあったお客様本位の旅館を造りなさい。
というメッセージが込められてのことだと思います。
しかし、北陸新幹線開業と同時に増えた沢山の金沢市のコスパのいいホテル。
先代の言いつけの格式にこだわらない旅館だからこそ、職人が創る『折上格天井』の宿へのこだわり。
金沢で一番美しい宿を目指すなら、職人が創る『折上格天井』を昨年完成させました。
一昨年、田鶴浜の建具職人が制作した。『組子細工』の壁と『折上格天井』の組み合わせが、加賀百万石の老舗の宿らしくなりました。
◆職人の手造へのこだわり。。。
便利な時代になり、新幹線開通により東京から二時間半で金沢に来れるようになり、インターネットの普及によりコスパのいいホテルが金沢に沢山できて潤っております。
老舗旅館のこだわりとしまして、「職人の手造り」には最後までこだわりたいと思います。
旅館の建物だけでなく、御料理も金沢懐石を大事にしました、
日本料理の職人が創るこだわりの懐石料理を季節ごとに旬を大事にした御料理も提供しております。
老舗旅館として重々しくなく、楽しく思い出に残る旅館でありたいと思います。