2018.02.17
金沢伝統。加賀野菜・加賀れんこん料理。
◆加賀野菜と加賀れんこん。
城下町金沢では、藩政時代から長年愛され受け継がれた季節感に富んだ特産野菜、『加賀野菜』が数多く引き継がれています。
しかし、近年はより効率よく生産性を求め、自然災害や害虫にも強い野菜を生産者が求め、
消費者も見た目の綺麗さや日持ちの良さ、調理の簡便さを第一にそして大量生産の安い野菜を考える時代風潮とともに、
加賀野菜「加賀れんこん」の生産農家も減少の一途を辿って消費者からも離れてしまいました。。
金沢の先人が育んできた、私たちの財産とも言うべき加賀野菜を受け継ぎ、
後世に伝えながら、生産振興を消費拡大を図りたい。
その熱い思いにより、各関係機関が協力して金沢市農産物ブランド『加賀野菜』のブランド化。
そして、のとや旅館はじめ和食職人がそのブランドの商品化や消費拡大に協力をしております。
【加賀野菜ブランド認定品目】
さつまいも、加賀れんこん、たけのこ、加賀太きゅうり、金時草、加賀つるまめ、ヘタ紫なす、源助だいこん、せり、打木赤皮甘栗かぼちゃ、金沢一本太ねぎ、二塚からしな、赤ずいき、くわい、金沢春菊の15品目です。
◆金沢・加賀野菜 加賀れんこんの美味しさ
代表的な加賀野菜のひとつでもあります『加賀れんこん』ですが、江戸時代の加賀藩第4代藩主前田綱紀の頃には既に薬用として栽培が始まっていたとされます。
その後、現在の小坂地区で主に栽培され、我々は「小坂れんこん」の名称で愛される一品であります。
『加賀れんこん』は、他のレンコンに比べ、澱粉質が多く粘りが強く、やや小ぶりですが中身が非常に詰まりずっしりと重いのが特徴です。
穴が空き先が見えるので、金沢では先の見える食品として縁起物として非常に愛されました。
◆金沢・加賀れんこんの蓮蒸し
金沢人はレンコンが大好きで全国消費量の四倍以上の消費をしております。
特にこの蓮蒸し。れんこんをすりおろして下味をつけ、季節の白身魚や海老、銀杏などの具を入れて蒸し上げ、仕上げに餡をかける上品な椀物です。
加賀れんこんはでんぷん質が非常に多くつなぎに片栗粉を入れなくてもまとまり、
「餅れんこん」の異名を持つほど、すりおろすと粘りがぐっと増し。
加賀れんこんの粘り気を最も活かした調理法といえるのがはす蒸しで、金沢加賀料理の定番にも挙げられております。
アツアツのすりおろした蓮蒸しの口中にからみつくような粘りと包み込んだ魚のうまみとも見事に調和してほんのりとした甘みがある。心温まるようなやさしい味です。
◆加賀れんこんの天麩羅
同じ食材の加賀れんこんでも、御料理のしかたにより全く違う味わいを楽しめるのが面白さでもあります。
加賀れんこん独特の硬い繊維質を天麩羅によって熱を通すと、
独特のもっちりとさっくさくの食感を楽しめ、衣によって旨味が閉じ込められて独特の旨味と土地の香りを楽しめます。
蓮蒸しも天麩羅も、加賀野菜本来の旨さを楽しめますが全く別の上品な味にきっと驚くと思います。
のとやでは、2月3月の『金沢懐石』では、この加賀れんこんの蓮蒸しを楽しむことができます。