記事監修
創業714年、老舗旅館のとやの22代目若女将。
幼い頃から布団ひきや洗い場で
お手伝いをしておりました。
一度就職しましたが3年後に実家の若女将となり、
着物姿で家業を手伝っております。
のとやHPの「金沢情報」の記事を
監修しております。
加賀百万石の城下町、金沢。
加賀友禅は、長い歴史の中で受け継がれた、
美しい伝統工芸の一つです。
加賀の国に既にあった「梅染(うめぞめ)」という
染め技法を原点とし、美しく新しい
模様が生み出されました。
高い技術とその優美な模様は今現在も継承され、
袴や羽織に描かれ、最高級品と称されています。
加賀友禅は写実的な草花模様を中心とした、
落ち着きのある絵画調の柄が特長です。
下絵から彩色まで、全て手描きで柄を描いたのが
友禅の始まりとされています。
加賀五彩といわれる臙脂(えんじ)、藍、
黄土、草、古代紫の5色の落ち着きのある
上品な色彩を基調とし、草花の絵柄に
「ぼかし」や「虫食い」などの表現をつけ、
自然の美しい模様が巧みに描かれているのが
加賀友禅の魅力の一つです。
自然の模様を基調とした絵画調であること
加賀五彩を基調としていること
ぼかしや虫食いなどの技法を用い、
手描きの美しさが感じられるものであること
加賀友禅は、多くの工程を経て丁寧に
製作されています。中でも、糊や余分な染料を
水洗いをして落とす工程の「友禅流し」は、
金沢の冬の風物詩として定着しており、
冷たいきれいな流水に生地をさらすことで、
加賀友禅の魅力である、美しい模様をより一層
引き立ててくれるのです。
※近年は水質汚染などの問題もあり、
実際に見ることが難しいものとなっております。
※画像:毎田染画工芸公式サイトより
加賀友禅の伝統を確かに受け継いでいるのが、
400年の歴史を常に意識し、伝統の職人技法を
頑に守っているという、金沢市にある
「毎田染画工芸」さん。
伝統工芸とは「古いもの」ではなく、
「今のファッションの積み重ね」であるという
考えのもと、着物以外に加賀友禅を
日常生活に取り入れて楽しく使えるよう、
テーブルセンター、風呂敷、タオルなどの
インテリア製品も展開。
伝統と現代の文化を融合させた、
時代にあった新しい加賀友禅を
創造されています。
※画像:毎田染画工芸公式サイトより
加賀友禅 毎田染画工芸
住所 | 〒920-0964 石川県金沢市本多町3-9-19 |
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TEL | 076-221-3365 |
FAX | 076-224-5880 |
営業時間 | 10:00〜17:00 |
定休日 | 不定休(お問い合わせください) |
※工房の見学・友禅体験などはお電話にてお問い合わせください。
のとやの館内は「伝統と革新」をコンセプトに、
加賀百万石の歴史を感じる旅館として、
さまざまな伝統工芸品を用いながら
リニューアルを重ねています。
もちろん加賀友禅もあり、
浴場のパウダールームや壁画や、
食事処「源助」のふすまなどに、
毎田染画工芸、毎田仁嗣様の作品を飾り、
お客様に加賀友禅の魅力をお伝えしております。
特に、食事処「源助」に飾られた加賀友禅は、
女将から若女将へと代々受け継がれたもの。
加賀友禅だけではなく、加賀の風習嫁入り道具の
一つである「花嫁のれん」や、鮮やかな5色の
和絵の具で描かれた美しい「九谷焼」に
盛り付けられたお料理、釘を一切仕様せずに
木を組み模様を編んでいく「組子細工」など、
館内ではたくさんの伝統工芸に触れ、
魅力を感じ、楽しんでいただけます。
のとやへお越しの際はぜひ館内を探検し、
伝統工芸に触れてみてください。